凍  結

「ほう、彼女がねぇ…」

いつになく楽しげな笑みを浮かべる達彦に、幼きころより仕える島田は、今度は一体何を

目論んでいるのか、と眉をひそめて、次なる命を待っていた。

 

「いや−雪や、見てみい、弓ちゃん!」

弓生は大騒ぎする聖を一瞥すると、先程から無粋な音を鳴らしている携帯を手に取る。

「はい…」

聖は弓生の様子に、また達彦からの呼び出しだと察し、視線を、ベランダの方へと戻す。

淡い雪が舞落ちている

(綺麗やな…)

こんな時、弓ちゃんとゆっくり散歩できたらええのにな…

淡雪の中の弓生を思い浮かべる。

遠い昔、何度も、数えきれないほど見てきた筈なのに

聖の胸が少し傷んだ。

 

佐穂子は、空を見上げ、ため息を漏らした。

舞落ちる雪はとてもきれいなのに、自分の足元までたどり着いた雪は、溶けて足にまとわ

りつき、とても綺麗とはいい難い。

大決心をして、聖を呼び出したのに。

よりによって、なぜ、こんな時雪が降っているのかと、萎えそうになる気持ちを奮い立た

せ、佐穂子は聖と待ち合わせているホテルのロビーへと向かった。

 

「寒うなってきたなぁ…。弓ちゃん、どこで待ち合わせなんやろ」

フリースのジャケットを着ただけの聖は、冷え込んできた空気に部屋に残してきた相棒の

事を思う。

 

自分が、今これから佐穂子と会うということを失念しているのか、聖は佐穂子と待ち合わ

せているホテルの前を通りすぎてしまっているのに気づかなかった。

 

「時間は正確に。言うまでも無いことだろうが。」

聖がでかけたあと、弓生は、先日達彦に電話で告げられた言葉の意味を考えていた。時

間のことで達彦に念を押されることなど、今までになかったことだ。それに、ホテルの一室

で打ち合わせとは、一体どういう事なのか。

そんな、疑念をもちながらも、弓生は黒のコートを羽織り部屋をでた。

 

〔聖!〕

佐穂子は、腰を浮かせ、そして躊躇する。電話では何度か話をしている。でも、会うのは

数年ぶりだった。

奈良に戻ってからの、様々な次期当主としての務め。そして、近々取り行われるであろう

婚儀。

まるで、他人事だわね。っと、一人ひっそり笑う。

その時、ホテルの前を通り過ぎていった聖の姿に、佐穂子は一瞬目を奪われた。

変わらぬ姿。

それをまざまざと目にして、ふと、ウインドーに映っている己の姿を見る。

一体、いつの間に自分は聖の年齢を超えていたのだろう…もし、二人が会っていたら、

見ているものにどう映るのだろう…

後を追う気持ちが萎えてゆく。

でも、聖の姿を見た瞬間の切ないまでの喜びは…。自分を誤魔化すことはできない。

すっと、佐穂子は立ち上がった。

 

「大丈夫ですか?達彦様」

島田は車を降りる達彦に、思わず声をかけてしまった。最近、体の調子が良くないのだ。

達彦は無言で島田の方に目をやり、口許を少し歪める。

「案ずることはない」

そう言い捨て、ゆっくり人込みの中へと入って行く。達彦の後ろ姿は、なぜか島田の不安

を駆り立てた。

このような若者の行き交う活気にみちた街は、達彦様には似合わない。

 

雪の舞い落ちる中、寒そうにエリを寄せながら足早に歩く人々の波を、背筋を伸ばし、迷

いのない足取りで歩く黒のコートに身を包んだ弓生。人々の視線を感じているのかどう

か、まっすぐ目的のホテルへと向かっていた。

混雑するのが目に見えていたので、タクシーに乗ってきたのだが、そのタクシーも渋滞の

ため時間に遅れそうになり、途中でおりてしまった。

 

一足早く出掛けた聖は、今頃佐穂子と会っているだろうか、

聖は隠しているつもりだろうが、今日、彼女と会うことは、聖の態度をみればすぐに分か

ることであった。隠し事のできない性格は未だ健在で…

能天気にみえてその実、細かな気配りが逆に自分を追い詰めることになるのだ、と、弓

生は長年一緒にすごしてきた相棒の事を想う。

秋川に婿を迎えるということは弓生も知っている。聖は三吾から聞いて知っているようだ

った。

だが、直接佐穂子の口からその話は聞いていないであろう。

(どうするつもりだ、聖)

 

目の前に秋川の次期当主の姿をみとめた。

一瞬、躊躇したが、自分の思惑通りだと微笑を浮かべ、歩を止めた。

後ろから呼び止めた佐穂子の声に、鬼同丸は驚いたように振り返り、気まずげに笑って

いるようだ。そして、その視線は不意にこちらへと向けられる。

狐につままれた表情とはこの事かと、達彦は苦笑する。

(これもまた、一興)

だが、鬼同丸の視線は自分を通りすぎ、その視線の先をと、達彦はゆっくりと振りかえっ

た…はずだった。

そこには、行き交う人々の間を縫って、躊躇することなく自分へ向かって歩いてくる、忠実

な神島の使役鬼がいた。

瞬間、目の前が暗転した。

 

「達彦様」

自分を呼ぶ声に、我に返る。

「大丈夫ですか?島田殿に連絡を」

軽く頭を振り、状況を把握する。そして、自分の背中に回された、思っていたよりもしっか

りとした腕の主を見上げる。

「弓生…」

「達彦様?」

いつも、何の表情も映さぬその漆黒の瞳が驚きに揺れている。

「大丈夫だ…」

そう言って、支える弓生の腕に縋り付くようにして立ち上がる。

 

(何やっとるんやぁ〜!)

聖は惚けたように口をあんぐりと開けて、目の前の信じられない光景を見ていた。

佐穂子に呼び止められて待ち合わせ場所を通りすぎたことに気づき、振り返った途端、

佐穂子の後に弓生の姿をみとめ、びっくりしてしまった。

もしかしたら、心配して自分のあとを…と、都合よく解釈しようとした瞬間だった。

目の前で誰かが倒れた。それを弓生が駆け寄って抱き起こし、その腕に抱くのを見た。

「達彦やないか!」

思わず声にだして叫んでしまった。

「…本当だわ、達彦、何で…」

佐穂子も驚いて、聖を責めるのを忘れている。

「なっ、なんや!達彦のあの笑いは!」

それは、全く信じられない光景だった。

弓生の着ていたコートを掛けてもらいながら、嬉しそうに微笑んで弓生を見つめる達彦。

「ゲゲゲ…」

「やだ…」

「気色悪いもん見てしもた」

「こんなとこで、何やってんのよあの二人!」

 

弓生は聖と佐穂子に気づいていないのか、気づいていて無視しているのか、全く周りを見

渡すこともなく達彦に付き添っている。

そして、そのまま目の前にある豪華なホテルへと入っていく二人。

 

「俺らもいくで、佐穂子」

聖も、佐穂子の腕をつかんでどんどんホテルの中へ入って行く。このホテルのロビーが、

佐穂子との待ち合わせ場所だったことなど、覚えているはずもない。

 

聖に掴まれた腕が熱い。佐穂子はそっと聖の横顔を見上げる。

いつになく、真剣なその顔は、千年の時を生きてきたことを微塵もうかがわせぬほど、若

々しくかがやいている(聖…)胸の鼓動が高まっていく。

 

(何してんのや、弓ちゃん!)

フロントから鍵を受け取り、達彦を支えるようにしてエレベーターの方に歩いていく二人の

後ろ姿に、聖のイライラは募る一方だった。

時折、媚びるように弓生を見上げる達彦が腹立たしく、また信じられなかった。

(まさか、双子の兄弟とちゃうやろな…)

二人の後を追おうとしたとき、隣にいる佐穂子に腕をひかれて我に返った。

「聖、…」

不安げに自分を見上げる佐穂子の顔に、ハッとする。

(今日は、達彦と仕事の話がある言うとった。たまたま打ち合わせの場所がここだっただ

けや、きっと…)と、自分に言い聞かせる。

 

きつく掴んでいた自分の指に気づき、苦笑いする。そっと外しながら佐穂子の顔を見た。

「久しぶりやな佐穂子。美人になったなぁ」ふわっと笑う。

一瞬、佐穂子はそれに見とれていたが

「何、寝ぼけたこと言ってるのよ!」

怒りをあらわに声を荒らげる。今ごろ、私に気がついたの。この、鈍感男!

あっという間に戻る。あの、何も背負うもののない、自由な時に。

「相変わらずやなー、そないに怒らんと。美人が台無しやで」

 

しがみついて来る達彦を宥めながら、知らされていた部屋に入る。一体、どうしたのだろ

う。無理やり達彦を腕から引き離し、とりあえずベッドに座らせる。家人に知らせるべきだ

ろうか?

 

達彦は、弓生の一挙一動に見とれる。こんなにもこの鬼は美しかったのだろうか…

心配気に自分を見つめる漆黒の瞳にすいこまれそうになる。

先程まで弓生がきていたコートのぬくもりが、体全体を包み込み、言い知れぬ高揚感を

誘う。

「達彦様、お話は…」

居心地が悪そうに、弓生はたったまま、口を開いた。だが、達彦はベッドに腰を下ろした

まま、弓生を見上げる。

「弓生、君もかけたらどうだい?」

そう言って、視線を自分の隣へとおろす。

―――

少し逡巡してから、弓生はゆっくりと達彦の隣へ腰をおろした。

どうしたものか・・・

どう見ても、達彦の様子はおかしいとしか思えない。第一、普段の彼なら自分を人として

の名で呼ぶはずが無い。

それに、聖と佐穂子があの場にいたことが、とても偶然とは思えなかった。

一体、今度は何の酔狂で…

そう考えこんでいる時、不意の冷たい感触に我に返る。

「何を考えている?弓生」

いつのまにか間近に達彦の顔があった。そして、達彦の冷たい手が自分の左頬に添えら

れていることに驚き、まじまじと達彦の顔を見ると、彼は嬉しそうに口許をほころばせ、両

手で弓生の顔を包み込んだ

「やっと、私を見てくれたね。そんな表情を私に向けてくれるなんて嬉しいよ。弓生」

「達彦様…」

目前の達彦の笑顔には見覚えがあった。久しく見る事がなかったその微笑み。

 

「何やってんのやろ…」

ひとしきり食事を終え、食後のコーヒーを飲みながら、聖は目の前の佐穂子が目に入ら

ぬようにつぶやく。

「弓ちゃん、きちんと食事とったやろか?」

そわそわと視線をさまよわせている。

佐穂子はテーブルの下で、新調したオフグリーンのスーツの裾を握りしめていた。

「なあ、どう思う?あれ、ほんまに達彦やろか…」

「聖…」

「絶対、おかしいやん、あんな目で弓ちゃんを見てからに…」

 

おかしい、確かにおかしい、佐穂子だって信じられない光景を目の前にして、言葉がでな

いくらい驚いたのだ。

だがそれ以上、聖と今一緒にいるという貴重な時間を大切にしたいという思いが強いの

に。目の前の青年はさっきから弓生のことしか話さない。

千年も一緒にいるのに、

これからも、ずっと一緒にいられるのに

自分の事など全く目に入っていないのだと思ったら、悲しくなってしまった。

弓生に嫉妬するなど筋違いだとわかっていても、目頭が熱くなってくる。

「もう、1時間以上もたつけど、大丈夫やろか」

「子供じゃあるまいし!そんなに、心配なら、部屋に行ってみればいいじゃない」

震える声を悟られないように、唇をかみ締める。

すると、聖は不思議そうに佐穂子の顔を見た。

「なんで、泣いとるんや?佐穂子」

聖に言われて、初めて自分が泣いている事に気がつく。

あわてて、バックの中からハンカチを取り出そうとした佐穂子の目の前に、スカイブルー

のハンカチが差し出された。

「泣かんといて、佐穂子」

「俺らは、ずっとおるさかい…」

優しく、ささやくようなその言葉にそっと顔をあげる。

変わらぬ輝くような笑顔。目に入るスカイブルーはまるで聖のようだと思う。

「幸せになってぇな、佐穂子」

まるで、すべてわかってるとでも言うような、聖の優しげな微笑みが、先程までの揺れ動

いていた心を癒して行く。

 

遠い日、幼い達彦。

悲しげに、そして何かを訴えるように自分を見ていた。そして、こちらが目を向けると挑む

ように睨み返してきた

「雷電」

ずっと、自分を鬼の名で呼び続けた。それは、鬼使いとして当たり前のことだ。

ただ一度だけ…

 

「これから、どないする?」

澄んだ瞳がまっすぐ自分へとむけられている。

 

無理だし、無謀とわかっていても、たとえどう思われようとも、非常識と罵られようと

も。

それだけの決心をして上京してきたのだから。

千年の時の間、このような事が全くなかったとは思えない。

かれらに魅せられない者がいるはずがない。佐穂子は、聖から渡されたハンカチに視線

を落とす。

「――部屋、とってるの」

聖の顔を見られない。声が震えているのが自分でもわかる。

ひどく長い沈黙が続いてるようで、佐穂子はいたたまれなくなる。

一体聖はどう思っただろう。

憐れんでいるだろうか。

それでもいい、と思ったはずなのにひどく後悔しているもう一人の自分がいる。

「そっか、じゃ、部屋でゆっくり話でもしようや」

いつもと変わらぬ聖の声に思わず顔をあげてしまった。

すでに立ち上がっている聖がにこやかに佐穂子を見下ろしていた。

急に肩の力がぬけてゆき、おかしくて笑いだしたくなってしまった。

又涙が零れてくる。

エレベーターが止まるまで、聖の背をずっと見続けていた。

(聖)

胸の鼓動が高鳴る。

ただ、二人きりで話をするだけなのだ。と自分自身に言い聞かせる。

それなのに、どこかで期待している自分もいるのだ。

誰もいない無機質なホテルの廊下を、二人でゆっくりと歩く。部屋までの距離がひどく長

く思える。

不意に、目の前のドアが開いた。

 

「弓ちゃん!」

聖の声に驚いて、顔を上げた佐穂子の目の前に、眼鏡をかけていない弓生の姿があっ

た。

弓生もさぞ驚いたのであろう、無表情の中にも、僅かな動揺が見え隠れしている。

そして諦めたように、乱れた前髪をかきあげながら気だるげに二人を交互に見て、ため

息をつく様が、ひどく淫猥に見える。いつもきっちりと着込んでいる背広も心無しか崩れて

いるのが、中で何があったのか、と勘繰ってしまう。と同時に彼がこんなにも妖艶な存在

であったことに愕然としている自分がいた。

悲鳴にも似た聖の叫びに,佐穂子は身をすくませる。

「何だ?」

いつもと変わらぬ冷静な声色に、聖の眦があがった。

部屋の中に駆け込んで行こうとする聖の腕を掴み、二人の視線が交錯する。

聖の怒気をあらわにした瞳。それを冷静に受け止める弓生。

(初めてみたな、聖のあんなに怒った顔・・・)

 

「なぜ、こんな所に」

見覚えの無い部屋。なぜ、私はベッドに横たわっている?

ゆっくりと身を起こす。そうして、乱れた己の服装に、目を落とす。

(何があったというのだ)

ドアをノックする音にびくり、とする。

「達彦どの、お迎えにまいりました。」

心配気な島田の声がドアの外から聞こえ、うろたえる己を戒める。ぐっと眼を閉じてか

ら、ゆうるりといつもの笑みを口許に浮かべた。

 

「弓ちゃんは、いつもああなんや。何も言わんと」

弓生に殴られた左の頬に手をやり、聖にしては珍しくひどく落ち込んでいるようだった。

「悪いなぁ、佐穂子、せっかく来たのに」

いつになく、佐穂子を見る聖の瞳が微妙に揺れた、気がした。

 

「ごめん。帰って、聖」

待ち望んだ、聖との逢瀬。

一人、取り残された佐穂子は大きく息を吐く

「馬鹿みたい!」

ベッドに、思いっきり大の字に倒れこむ。そして、先程みた光景を思い出した

 

一体何があったのかは知らない。

弓生の手が、鋭い音を立てて聖の頬に打ち下ろされるのを見た。

あの時の顔。

弓生に頬を打たれたことが信じられないように、不思議そうに弓生をみる聖の表情が子

供のようだった。

弓生は何の表情も示さず、冷たく聖を見ると何も言わずに、立ち去ってしまったが。

 

達彦…

いつも、皮肉っぽい微笑しか口に浮かべない、家にしか執着を持たない彼も又、自分と

同じなのではないのか?

あやかしの生き物に魅入られるのは、いくらその感情をを否定しようとも無駄なあがきな

のだ。

例え、それを自分が自覚していなかろうとも。

 

「雪だわ」

外はもう暗くなっているのに、この街は相変わらず昼と変わらぬ活気を残している。ホテ

ルの部屋にそのまま居るのも気まずい。

このまま奈良へ帰ろうかと思いながら、白のコートを羽織り、目的もないままホテルを出

る。

柔らかな雪が優しく佐穂子に降りかかり、彼女はゆっくりと空を見上げる。

(きれい)

きついネオンの光も雪が優しく覆い包んでいくようだった。ふと視線を感じて振り返り、そ

の場に立ちすくんでしまった。

「どこ、行くんや佐穂子」

舞い落ちる雪に、聖の顔が見えない。

「聖…」

驚愕のあまり動けない佐穂子に、ゆっくりと聖が歩み寄る。

「あのな、時間あったら、映画でもみいへん?」

優しい聖の笑みが、自分に向けられている。

――――

「ほかにつきあってくれる人、いないの?一体、何年生きてるのよ!」

怒ったように口を尖らせてみせる。

「それとも、私が落ち込んでるとでも思ったの!じょうだんじゃないわ」

真っ直ぐに、聖の顔を見ながら怒鳴りつける。そして、強引に腕を組んで引っ張るように

して歩きだす。

「もう、こうして会ってやれないんだからね!」

口調を強めたまま言う。

「そうやな、もうこうして佐穂子と会えないんやな…」

苦笑いしたような、珍しく、少し寂しそうな聖の声を聞く。

 

「まっ、千冬と喧嘩したら、いつでも来いや!」

「もう、縁起でもないこと言わないでよ!」

「逃げてくるんは、千冬の方かもしれんな、後で電話しとこ。」

「ひどーい!」

「尻に敷くやないで」

「もう、聖ったら!」

いつもと変わらないテンポの会話に安心する。

 

慣れない雪のなか、転びそうになる佐穂子を素早く支えた聖に、笑って身体を預け、歩

きつづける。

いつまでも、このままでいたい。

そおっと聖の顔を見上げる。ふんわりとしたいつもの聖の笑顔に、佐穂子はなぜかほっと

した。

ずっと、ずっと、いつまでもこの聖の笑顔を見ていたい。

身体の奥深くから温かいものがこみ上げてくる。

 (聖…)

 

でも、この想いは心の奥底に封印しなければならないもの。ううん、いずれは長い年月と

ともに風化して行くはずのもの。

それまでは、凍結させよう。自分の心の奥底に。ひっそりと、お眠り。




ホワイトニューさまから、シリアスSSをいただきました。
ホワイトニューは、あらたさま原案・著述、白戸さま著述・編集・推敲の「創作ユニット」でご
ざいます。
これは佐穂子篇。この後に三吾篇が控えているご様子です。お楽しみに。
ホワイトニューさま、どうもありがとうございました。